英文読解のトレーニングにおいて、基本レベルを脱したら、一文一文の精読(=英文和訳)よりも個人的に非常に大事だと思うのは、コンテクスト(文脈)、つまり「要はどういうこと?」というのをつかもうとしながら読める訓練をすることだと思うわけです。
このコンテクストがわからないまま一文一文の精読のスピードを上げようとするのが、高い効果が望めない速読練習だと思うわけですね。逆の言い方をすると、コンテクストが分かると自然と読むスピードは上がります。これは絶対です。なぜなら人間の脳がそういうふうにできているから(だと思います)。
よく子供がお説教されている途中で「もうわかってるし!」と話を遮る場面ってありますよね?一方、説教している側は「まだ話が終わってないでしょ!」とさらにボルテージが上がるといったような…(^_^;)
あの話を遮る子供の心境がまさにそれです。自分が小言を言われている文脈(=なぜ自分は小言を言われているのか)が全て本人はわかっているわけです。今まで何度も聞かされているから。よって話の先が読めるわけですね。ですのでそれ以上聞き続けるのが脳としては耐えられず、そこで話を遮るのでしょう。
つまりコンテクストが分かると、次にどういうことが言われそうだということがおおよそ予想がつくわけですね。あるいは書かれていることがどういうことなのかがわかる。従ってその内容における内容一致問題なんかをやらせると「消去法」などという小手先のテクニックを使わずとも一発で正解を当てるわけです。
これがセンター試験の読解問題や、TOEICのリーディングの攻略の「いろはの"い"」だと思うわけですね。ですので読解問題を解く時に、生徒たちによく言うのは「スロースターターでいいよ」ということです。最初はどういうことについて書かれているのかが分からないので、まずこのコンテクストを掴まないといけないわけです。ここでいきなり最初からぶっ飛ばすと何について書かれているのかイマヒトツわからないまま、どんどん英文を読み進めることになり、結局途中でにっちもさっちも行かなくなり、最初に戻ってこないといけなくなるというタイムロスが起こります。
一方スロースターターではあるけれども、最初にどういう話なのかが一旦わかってしまうと後半に行くに従って徐々にスピードはあがってきます。
実際問題、このコンテクストがわからないと、中1レベルの英語で書かれていても「これ何の話?さっぱりわからん」ということが普通に大人でも起こりえます。
ちょっと長くなりそうなので、またこの続きは次回にまわします。