コンテクスト つづきのつづき

前回、前々回とでコンテクストについて書いてきましたが、コンテクストの重要性がわかるエピソードをもう1つ…。

小学生のクラスで、歌いたい歌があるとのことなので、早速YouTubeで検索して一緒に歌詞を見ながら聴いたのですが、いまひとつ私には意味がよくわからない歌詞で(中高生がリクエストしてくる歌は基本ラブソングなので、「ラブソングである」というコンテクストが頭にあるため、何のことを言ってるのかよくわからんということはあまりありません) 一緒に聴きながらも「なんじゃこれ」と思っていたのですが、その歌詞が以下の英文です。

What you see is not what you get, 
Livin' our lives with a secret. 

We fit right in, bet you'd never guessed, 
'Cause we're livin' our lives just like all the rest. 

A picture perfect family is what we try to be. 
Look closer, you might see the crazy things we do. 
This isn't make believe. 
It's our reality. 

Just your average family 
Trying to be normal

And stay out of trouble, 
Livin' a double life.

見て頂いたらわかると思いますが、英文も文法的には小学生には結構難しい内容ではあります。ところがこれを一文毎に解説していくと、(訳している私には相変わらずその意味がよくわからないのですが)子供たちの表情は一気に変わってくるわけです。

これ、実はNHKで放送されているThe Thundermansというドラマの主題歌で、子供たち曰く、超能力を持っているものの、その能力を他人にバレないように家の外ではその力をひた隠ししながら普通の生活を送ろうとしているある家族をコメディタッチで描いたドラマなのだそうです。

このコンテクストを知らない私が一文一文を解説しながらその都度「これどういうことなん?」と子供たちに聞くと全部彼らが「それはこういうこと」と説明してくれるわけです。そういう解説を子供達から聞いていくと歌詞の内容が私の頭の中でも一気にクリアになるわけですね…(^_^;)

文法的には難しい英文であるものの、一文解説する毎に「ああ!」みたいな感じで笑顔の反応が子供たちから返ってきて、その彼らの解説を聞いて私も「ああ、そういうことか!」と理解できるという、相互作用によって進んでいくなかなか面白い授業になることもあるわけです。